「私を奴隷にして下さい…」
勇気を振り絞って送ったメールに
そう書きました
カラカラに喉が渇くくらい緊張しながら
震える指先で送信をクリックしたはずのに…
神様のいたずらかと思ったけれど
なぜか、こんなに大切なメールだけ
ご主人様の元に届きませんでした
なかなかお返事がもらえなくて不安だったから電話をかけたら
心地好い響きのある声が聞こえて
ホッとしたのを覚えています
仕事で嫌なことがあったんだ…とご主人様は仰いました
そういう何気無いことを話して下さったのが
なんか嬉しかったのを覚えています
私は掠れた小さな声で
“ご主人様の奴隷にして下さい…”
と伝えました
部屋の隅に体育座りして
小刻みに震える身体を自分で抱き締めました
死ぬまでに、奴隷にして下さいって言葉を
本当に使う日がくるとは夢にも思ってなくて
それは
まるで夢のような日々のはじまりで
でも
現実になりました
主従に憧れて
ご主人様とはじめてお逢いした日の別れ際
“いつでも連絡してきていいし、もう連絡を寄越さなくても良い…”
と言われました
なんかとても哀しくて
首を横に振りながら、必ず連絡をしますと伝えました
不安や迷いがなかったわけではないけれど
二度と会わないなんて、絶対無理だと思うほど
心が強く目の前の人を求めていて
本物の主従になって
“ご主人様” ってお呼びしたいと思いました
静かな時間の流れの中で
ギュっと抱き締められたとき
“この人に愛されたい…”
って身体中で感じました