調教じゃないお散歩 鎌倉
お天気の良い日曜日
ご主人様が鎌倉へ連れていって下さいました
待ち合わせのホームで電車の窓から
私を見つけて手を振ってくださるご主人様
わん…
心の中で鳴いて、
尻尾をふりふりしたい気分です
飼い慣らされたペットは、飼い主のことが大好きです
普通の格好だから、カップルか夫婦だと思われるんだろうけど
目には見えない首輪と鎖に繋がれて
私はとても幸せです
ご主人様は身体ががっしりとしていて、側に寄り添うとほっとします
護られている感じがするから…
電車から降りて深呼吸すると空気が澄んでいて
山や空がとっても気持ちいいです
もみじがほんの少し紅葉していてきれい
鎌倉の思い出の場所を案内してくれて
ニコニコお話してくださるから幸せでした
一眼レフを持っていたから景色を撮影する合間に
ご主人様のことも沢山撮りました
小さなファインダー越しに見つめる、私のご主人様…
渋くてとても素敵…
私の写真は良く撮ってもらうけど
ご主人様の写真はほとんどなかったので
嬉しくて何度も眺めました
鎌倉名物のソフトクリームやプリンを買って
ご主人様の口に入れてあげました…
すっごくドキドキします
だいたい餌付けをされるのは私の方だから…
江ノ電に揺られて、ご主人様のおうちへ戻ります
楽しいお散歩でした
ペットらしいおしっこの仕方
しばらく股縄を外して生活するよう命じられていて
久しぶりの感覚に戸惑いました…
すーすーする感じで、逆に意識してしまいます
股縄が恋しい…
家族の前や外出先で首輪をつけるわけにはいかないけれど
服の下なら誰にもわからないから
股縄をしていると、
私はご主人様の所有物で、支配されてるって
身体中で感じられるから、心地よくて落ち着きます
おしっこの仕方も教わりました
一人の時はトイレには行かず、洗面器に股がってします
調教を受けはじめの頃
トイレの扉を勢いよく開けられて
“見ててあげるから、おしっこしなさい”
と言われた時は
戸惑って、恥ずかしくて緊張して、なかなか出せませんでした
洗面器に出すのにも時間がかかりました
けど、長い休みが続くと家族がいるから
トイレに行かなければならないので
悲しいとすら感じるようになりました
“おしっこさせてください、ご主人様…”
お願いすると、洗面器を持ってきてくださいます
“よし” で赦されて
“まて” でおしっこを止めなければなりません
おしっこを途中で止めるのは、なんともいえない感じで
弄ばれている自分を思って子宮が疼きます…
おしっこをしている間は顔を上げてご主人様の目を見つめなければならなくて
とっても恥ずかしいです
ご主人様の指に私の指を絡めて、脚を開いて
おしっこが出ているところを見ててもらいます
たまに拭いてもらえると、泣きそうになります
小さい子みたいで情けないけど
こんな風に私のはしたない姿を見てくださるのは
ご主人様しかいないから…
調教を受けるたびに、ご主人様のことを好きになってしまいます
恥ずかしくて、あまい時間です…
まさか、こんな悦ばしい気持ちになるとは思っていませんでした
マゾの自分が好き
ご主人様の目は冬みたいな薄い灰色をしています
長い睫毛がまばらにかかって、たまに寂しげに見えると
その奥にある辛さや孤独を感じて
私の胸もじんじんと痛みます…
私を見る目が優しかったり、時には厳しかったり
ご主人様の目を見ているだけでも
見つめられるだけでも身体中が感じます…
静かな声で命令される時
耳も脳ミソもとろけるようで
身体中がビリビリします
誰かに管理、支配されることが
こんなにも幸せだなんて
昔の自分には信じられなかったけれど
ご主人様と出会って、被虐の悦びを知りました
どうして私はマゾなの…？
何度も自分に問いかけるけど
それは、やっぱり
ご主人様と出会うためだったのだと確信しました
今までずっと独りぼっちな感じがしていて
誰もわかってくれない…と拗ねていたから
そんな自分が大嫌いだったけれど
ご主人様と巡りあってから
そういう思いは払拭されて
心が満たされ、癒されました
ご主人様は私の故郷みたいな感じです
たったひとりのご主人様に出会えてほんとに良かった…
