飼い主のための私、そんな自分が愛しい
今頃なにをしてるのかなぁ…
ぼんやり考えながら
明日ご主人様に会えるのを楽しみにお料理をします
ご主人様のために髪を整え、ネイルをするのは
とても幸せなひとときです
ご主人様のものであるワタシに、きれいにお化粧をして
お気に入りのフェラガモの香水をかけました
調教の時にだけしかつけないから
ご主人様が恋しくなったときはこの香りを思いっきり吸い込みます…
ただのあまさだけじゃない、官能を呼び覚ますあまい香り
ご主人様に管理される私…
そう思うと目や身体の奥が潤んでくるのがわかりました
私は今、心が満たされています
マゾで、ご主人様にお仕えできて
生きる意味を感じます
奴隷になる前、ご主人様に送ったメール
『こんにちわ
あなたが書かれた文章はどれも夢のようで、
本当にこんな世界があるのなら
とてもすてきだなと思いました
ずっとそう思っていたことを伝えたかったけど
勇気がなくてなかなかメッセージできませんでした
私は、真面目な夫と可愛い子どもがふたりいる
幸せそうにみえる37歳の女です
だけど、孤独感でいっぱいです…
夫はノーマルな人間でSMを変態的行為だと思いこんでいます
普通がいちばん、が口癖で淡白で、
私はいつも置いてきぼりな感じです
お尻を叩いて欲しい、とお願いしてみたけど
意味がわからない、というような表情を浮かべて
ほんとに優しくぺしぺしとされ
何言ってるの、と本気で困惑しているようでした
寂しいけど、めんどくさくなって
作り笑いをしてやり過ごしました
こういうことは親友にも言えません
その子とは幼い頃からずっと一緒に育ってきたから
ほとんどのことを話す仲だけど
彼女もノーマルだから、
こんなことで悩んでいるとは誰にも言えませんでした
夫とはそんな感しですが、誠実で悪い人ではないし、
子どもも元気に育っていて、
私はいつも笑顔でみんなと仲良くやっているから
絵にかいたような幸せを手にいれて
周りからは羨望の的のように思われているけれど
何か違う…と、
“普通”の幸せには心が満たされない自分はおかしいんじゃないかと
苛立ちを感じて自分が嫌いで
最低だと思っています…
ほんとはM性を抑えられず悶々としていて
マゾの自分が憎たらしい
そのことでこんな気持ちになるのなら
私さえ我慢していけばみんな幸せなんだろうけど
寂しいし苦しくて家族の中にいても
孤独感で押し潰されそうです
あまりにも辛くて
こんな気持ち誰にも言えなくて
顔も知らないあなたに話すしかありませんでした…』
迷いは勇気に、自分を信じてすすむ
こんな風に思っていたんだ…
メールの整理をしていて、改めて読んだ時
なんというか、ドキッとしました
心の奥がズキズキと痛むような
苦い感じ
その辛さすら忘れてしまったのではないかと思うくらい
今の私は心が満たされていて
ありのままの自分を出せることの嬉しさ
ありのままの自分を受け入れてくれる安心感
そういうものをはじめて知ったから
ほんとに感動してます
ご主人様は真剣で心のこもったお返事を下さいました
それを読んでたら涙がぼろぼろ流れ落ちて
何度も何度も読み返しました
『自分のことを最低だとかMだからだめだと思うのはやめなさい
まず、これが一番伝えたいことです
人生は不条理の中で、それでも生きていくんだと思う
完璧な人生なんてないし
それでも色々ありながら、失敗しながら
傷つきながら、もがいてもがいて、
それでも一生懸命生きていくのが命だよ
がんばれ…』
ご主人様と巡り逢えるように
マゾヒズムという名の感性を
神様が私に与えて下さったんだろう、と思っています
昔の私みたいに
M性を抱えてることに対して
罪悪感や葛藤してる人がいるのなら
馬鹿みたいにどん底まで堕ちて
もがき苦しんで悩んだらいい
足踏みしてるようだけど
苦しみながら少しずつ前に進んでいると思う
中途半端に迷ってると何もできないけど
底辺までいけば這い上がろうとして
普段の自分じゃ出来ないような
とんでもないことをやろうとする力が湧いてくる
私にとって
それは
SMの世界に飛び込むこと…
誰かの奴隷になることは
決して簡単なことではないけれど
くだらない世間の常識や考えに支配されているくらいなら
ほんもののS男性に支配された方が
うんと人生が輝いて見えるはず…
