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人として 男として 主として

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SMのことじゃないこと、たまに書きます。

 

おばあちゃんはスズメのために庭にお米をまいていた。

20年来のお客さんだ。

チャイムを押しても聞こえないから、いつものように庭の竹垣の潜り戸から勝手に入る。

紫陽花がもうすぐだと目を細めていた。

お茶を飲んでからやってと縁側に座る。

近くに大きなマンションが建ったから、陽があたらなくなった。

それでも昔ながらの庭は緑の香りがした。

きた、きた、とおばあちゃんが言った。

スズメが米をついばんでいた。

 

私はひとりぼっちの大工だ。

インドが好きだし、瞑想をするし、酒も飲む。

そしてSだ。

ホストじゃねえし、プライドを持ったSだから、誰でもいいわけじゃないし、やたらと調教をするわけじゃない。

人として、男として、ちゃんと生きていこうとしているだけだ。

 

人は多面体だ。

型にはめられるほど単純なものじゃない。

生きてりゃいろいろある。

そのひとつだけを見て判断して欲しくない。

それでも、ふとしたとき、疲れたとき、そっと隣に誰かがいたらと時々思う。

 

思いやり

 

95歳だ。

娘さんは遠くにいる。

転んでしまってから、腰が痛い。

半分くらいしか、もう見えない。

耳も遠いから、大声じゃないと聞こえない。

だけど温かい。

とてつもなく優しい。

 

一休みすると、いつものようにまんじゅうとお茶と、ヤクルトがでてきた。

飲みきれないヤクルトを今でもとっている。

飲みきれないから近所に配ったりしている。

「やめちゃえばいいじゃないか」と言ったとき、「だけどその人も子供を抱えて頑張っているからねえ」と言った。

私は胸を鷲づかみにされた。

まず相手を考える。

人を思いやる。

この人は日本人なのだ。

 

私がおいしいと言った煎餅を、自分は入れ歯だから、お茶につけてふにゃふにゃにして食べていた。

昼にはそうめんを作ってくれた。

しわくちゃでよぼよぼで、だけどあったかい。

ありがたい、ありがたいと暮らしている。

こんな人になりたいといつも思う。

 

自分さえよければという人も確かに増えたかもしれない。

そういう話をしたこともある。

そのとき、おばあちゃんはこう言った。

「若いときは、だれでも自分のことで必死だから仕方ないんだよ」

 

ひとりぼっちでご飯を食べているのだろう。

テレビをぼんやりひとりで見ているのだろう。

隣の家族の笑い声をそっと聞いているのだろう。

布団の中で、ひとりぼっちで、闇と向き合っているのだろう。

 

大変な時代を生きてきて、苦労をしていて、辛さを知っていて、だから人の気持ちがわかるのだろう。

 

仕事を再開すると、近所のおばちゃんが、「今度うちもやってね」と声をかけてくれた。

わかりました。。。

おばあちゃん、今日は病院は?

今日はいますよ。。。

 

近所の人も、ひとり暮らしのその人を心配し、気遣っている。

子供を連れた若いお母さんが、穏やかに歩いていた。

風は夏の気配がした。

テレビや新聞は、ぎすぎすすることばかりかもしれない。

だけど、ちゃんと見れば、街はすてきに満ちている。

 

主従も同じだ。

性欲だけとか、ひたすら陵辱とか、そんなものじゃない。

(そういうSMもあるし、そう望んでいるM女もいるから、それはそれでいい)

おおらかで、せつなくあまい。

縛られるとき、心は自由になる。

もうひとりの自分と向き合う。

首輪で繋がれるとき、安らう。

鞭は被虐のあまさがある。

罰を受け、支配され、飼われることはあまずっぱい。

主だけが自分を知っていてくれて、見ていてくれるからノラわんこではない。

主は奴隷の未来を思い、今よりもっとよくなれと祈り、奴隷は私をいたわり、私のために体を捧げ、仕える。

 

感謝

 

昼はそうめんと太巻きをだしてくれた。

卵焼き、キュウリ、かんぴょう。。。

しいたけの煮たのがうまい。

きっと私のために、前の晩から漬け込んでおいてくれたのだろうと思うと泣きそうになった。

富士山が遠くに見えて、トンビが輪を描いていた。

 

仕事が終わり、お代をいただいて家に戻った。

お代が入った封筒を開けると、お金といっしょにお年玉のような小さな袋が入っていた。

その袋に ”感謝” と小さな字で書いてあり、1000円が入っていた。

 

ひとりで飯を食いながら、おばあちゃんはもうご飯をたべたのかなと、ふと思った。

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