やっと会えた。
SMは、ご主人様と奴隷の距離が、とても深くなる。
だから体の反応でこころがわかった。
奴隷の逡巡は、すっと、自然に、入ってきた。。。
もう昔のことだ。
M女らしさ
女に入れた指が温かく、その温もりに、私ははっとなった。
この女(ひと)は、ただ性欲だけとか、遊びでSMしているのではないとはっきりわかった。
その女(人)の孤独や逡巡や、荷や苦が、私にはわかった。。。
いつも教えていた検査のポーズ。
膝立ちで、両手を頭の後ろで組んで、両腕を拡げる。
腰をつきだし、体を飼い主に捧げる。
俯きながら、いつもの口上を口にした。
**の体をお調べください。。。
M女らしさとは、はかなさと健気さだ。
恥ずかしがる仕草の中に、被虐への期待と不安がある。
それはM女特有のものだ。
それは調教されて、少ししたとき、自然ににじみでるものだ。
自分はそんな健気じゃない、自分なんかと思っているかもしれないけれど、それは違う。
調教されていないだけだ。
まだ経験していないだけだ。
奴隷として調教されると、Mらしくなり、女として輝いてくる。
愁いを帯びてくる。
主に委ね、仕える自分のか弱さ、はかなさとか、なんとなく、ほんのり感じるようになるものだ。
それはマゾヒズムを知るM女独特のものだ。
蠱惑的で、これほどかと思うほど、女らしさがある。
こういうのは理屈じゃない。
その女性ははまっすぐ生きていた。
普通の女性だ。
さみしがり屋であまえんぼうな、ちょっとだけ弱いだけのただの女だ。
社会はそう見てくれない。
仕事ができるかとか、表面上の性格がどうとか、ただ人当たりがいいとか、上っ面しかみない。
それは、それぞれ自分のことで一生懸命だから、仕方ないのかもしれない。
だけど。。。
そうじゃないよねって、どこかで感じる。
私もそうだし、みんな心の奥のことを、ほんとうのことをかくして生きている。
そうしないと、乗り遅れてしまう時代だから。。。
社会という荒野にひとりでぽつんと立っていた。
強い風に負けそうになりながら、踏ん張っている自分を誰かにわかってほしかった。
心の奥に抱えているマゾヒズムをもてあましていた。
人として温かい部分をちゃんともっているのに、どうしていいかわからず、人知れず悩んでいた。
仕事が終わり、ハイヒールの音を響かせて、小さな町に帰るのだろう。
家に灯る団欒の明かりを、ちらと見て、ひとりぼっちで歩くのだろう。
ひとりでご飯を食べて、皿を洗い、洗濯をしてまた1日が終わるのだろう。
風呂に浸かり、膝を抱えて小さく息を吐くのだろう。
髪を洗いながら、少し泣きそうになるときもあっただろう。
灯りを消して布団にもぐり、闇の中でひとりで虚空をみつめていたのだろう。
私は主だったから、そういうの、わかっていた。
体のことももちろん全部知っていたけれど(その頃、その女(ひと)の体は私が所有して管理していたから)、マインドも、言わなかったけれど、わかっていた。
だから、よけいに愛しかった。
逡巡した末に、やっとメールをしてきたのだろう。
はじめて会った時、震えていた。
気を失うんじゃないかというほどの緊張がかわいかった。
奴隷になり、少しずつしつけられていった。
命令するだけで濡らすようになっていた。
奴隷として、女として向き合っていたけれど、ほんとうは、人として、私はその女(ひと)を認め、愛していた。。。
線香花火のようなたたずまい
目の前の女を、そっと開くと、いやあと腰をひくから、尻を叩いた。
ごめんなさいと静かに、私に捧げた。
顔を見せなさい。。。
隠すように垂れた髪をよけた。
目をきつくとじたまま、私に見せるために正面を向いた。
少し前まで、スーツを着て、さっそうとしていた自分が、生まれたままの姿で、飼い主に体をさしだしている。
主に、自分を捧げ、委ねながら、本音の自分に戻ろうとする時間。
わずかな時間だったかもしれないけれど、そのとき、そうしてバランスをとろうとしていたのだろう。
開いて、小さな豆をむいて、ちょんと突いた。
ひっ ひっと息をひそめたたたずまいこそM女らしさだった。
濡れていることを伝えると、ごめんなさい。。。
これから虐められるのか、かわいがられるのか、心配しながら、どこかで期待している風情がいい。
大きく激しく喘ぐことは、私が好きじゃないことを知っているから、弱く細く喘いでいた。
奴隷の時間といつもの時間
乳首を転がし、女にそっと指を入れた。
動かしながら、反応を確かめた。
そうしながら、伝えたい思いを伝えた。
それはこれまでも感じていたことだった。
ちゃんとご飯を食べること。
部屋の掃除をしている姿。
世間の中で自分の居場所を探そうとして、悩みながら、もがいている自分。
誰も見てくれないかわいいパジャマを着て、一人で寝る。。。
尊敬できない上司のハゲ頭を見ながら、それでも生きていかなくちゃならないから頑張っている自分。
時間は通りすぎ、このまま歳をとってしまうのか。。。
女としての今しかない時間が日常に埋もれていく。。。
テレビの華やかな同世代の人を見て、街で着飾って輝いている人と自分を比べて、そっと傷ついたりしている自分。。。
頬を手のひらで、挟んで、目を開けなさいと命令した。
そして伝えた。
地に足をつけて、暮らしている姿こそ、ステキなんだよ、と。。。
地味でも、自分なりに一生懸命生きているから、おまえらしいんだよって。。。
遊び歩いていたり、派手な表面的なしあわせを求める人より、ちゃんと、そっと生きているおまえがいい。。。
そんな女が、奴隷として女として調教され、お仕置きされ、焦らされ、喘ぎ、いい子だとハグされ、とろけそうになり、ご褒美だとかわいがるとき、あまえて、自分をさらけだす。。。
地道なふだんの、何もないかもしれないけれど、ささやかな暮らしを生きているから、SMのこの時間も充実するのだ、と。。。
ただの表面の華やかさだけの相手など、全く魅力がない。
ふつうにちゃんと生きている姿こと、男からみたら、女らしくてステキなんだよって。。。
そういう暮らしのベースが、ほんとうはおまえを女として磨いていること、わかってほしい。
頑張っているとき、さみしさをこらえるとき、人を許し愛そうとするとき、もがきながら生きているおまえがいい。。。
ちゃんと生きているからいい。。。
検査のポーズのその胸に、顔をうずめた。
主として、涙を見せるわけにはいかない。。
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