少し昔のこと。。。
美雨はアナル調教が苦手だった。
「むずむずする」。
でも、とためらってから、「支配されている気持になる」。
次の段階に進めようとした。
いきなりそんなことしない。
調教して、Mとして女として進化して、ステキになった。
そういう準備を、美雨の体とこころが整ったタイミングになったということだった。
あまさやせつなさの次は、被虐と、あまずっぱさだ。
SMの深さ 被虐
「お尻を訓練する」
その言葉に、美雨はぶるんと震えた。
ほら、と首輪のリードを引く。
飼いならされた雌犬のように、あきらめたようにゆっくり四つん這いで後ろを向いた。
久しぶりに会い、飯を食い、あまえてきて、たくさん話をして、それからのこと。。。
私はアナルはあまり好きではない。
それでも調教するのは、すべてを支配するためだ。
スカトロは大嫌いだ。
汚いとかただ痛いとかしない。
そういうものじゃない。
少し奴隷として慣れてきて、少しずつ所有されるあまさや管理される被虐を知る。
クリームを指に掬い、表面を湿らせた。
静かに周囲を親指で押す。
まず、ほぐす。
まだ慣れていない刺激にこころは震えるけれど、体はついていけないから背中が丸くなる。
平手で叩くと、あんと哭いて尻を捧げる。
クリームをたっぷり掬い、人差し指で第2関節くらいまで入れて、中に塗りこめた。
女性器にするようにした。
ゆっくり抽送する。
指を回転させる。
関節を曲げて中でそっと動かす。
すべて慎重に、静かに、慈しむように。
美雨の吐息が聞こえる。
アナルは開発しないと気持ちよくない
アナルも性感帯だ。
だけど、開発しないと感じない。
ごくまれにいきなり感じる女性もいるらしいけれど。
女性器だって、だれでも最初は痛いだけだったはずだ。
セックスでほんとは感じないという女性は結構いる。
そういう相談が、昔はよくあった。
アナルコイタスといって、女性器でいくのとは違う快感がある。
少し痛いけど、気持ちいい。
いきっぱなしのような快感が、ムズカユサとともに続く。
それには少しずつ、その良さを教える必要がある。
アナルは、M女は征服されたと強く感じる。
奴隷として体をさしだしているけれど、もうひとつ上の、強くて複雑な感情がある。
退行というより、生まれ変わったような感覚に近いのかもしれない。。。
人差し指が温かい。
ひだひだがうごめき、Mとしての感情の高ぶりを表すように、美雨の尻が小刻みに震える。
ご主人様としての私にすべてを支配されようとしていること、それを受け入れること、みじめな自分を思い妖しくときめいている。
快感と同時進行のアナル開発
調教は、少しずつ、一歩ずつ。。。
指の動きを少し早めて、なだめるように、よしよしと左手で尻をさする。
くぅと、吐く息が鼻にかかってきたのがかわいい。
美雨をベッドに導いた。
仰向けでばんざいの形に手を縛った。
飼い主の私に委ねきった表情を眺めながら、ぞくりとした。
「足をM字にひらいてごらん」
膝の下で脛と大腿を括り、外側に引っ張り開いたままで固定した。
座布団を尻の下に敷いた。
人さし指くらいのアナルバイブにクリームを塗った。
上を向いたアナルにもクリームを塗る。
バイブをあてると、哀しそうな顔をした。
いれるのをためらった。
入り口で止めていた時、女がうごめいた。
哀しいのではないと知る。
被虐に酔い始めているMの表情だった。
SMの魅力 あまさの次の心の奥からの疼き
SMの魅力はあまさだけではない。
せつなさと、被虐。
平安と安堵感。
ゆっくり入れて、弱くスイッチを入れた。
「あああああ……」
「これが入るようになったな。よしよし」
内腿を優しくなぞりながら、どんな感じ? と聞いた。
「うれしい……」
縦の筋が濡れていて、刺激を求めていた。
膨らみを指の腹でなぞった。
しばらくそうしながら新しい被虐に悶える美雨を見下ろしていた。
女がとろとろしてきた。
眉を寄せて喘ぎがあまくなった。
バイブを止めた。
抜かないでそのままにした。
横にはべる。
唇をついばむ。
求めて口をあずけようとするのを、距離を置き、またついばむ。
ああんとMらしく哭いた。
開いた足の間に戻った。
女にローターを入れるとぬらりと呑み込んだ。
豆に電マをあてて、お仕置きに使うゴムのチューブで固定する。
上を向いている乳首にクリップをかませる。
筆でアリの戸渡をすっとなでると、ひいいと眉を寄せた。
徹底的な快感で追い上げられ、焦らされるのを知っているから、ああと嘆いた。
それでも私にすべてを委ねるように、されるままを享受していた。
美雨から哀願させたかった。
「お願いします、は?」
蚊の鳴くように復唱した。
努力しますと誓わせた。
アナルバイブのスイッチを入れる。
虫が飛ぶような振動音が聞こえる。
ローター、電マもスタートさせた。
ゆっくり昂ぶらせていった。
飼い主だから、私は美雨の体の隅々まで熟知している。
筆で鼠径部をなぞり、乳首をクリップを弾く。
美雨が追いあげられていく。。。
女へのローター、豆の電マ、鼠径部・アリの筆、乳首のクリップ、そしてアナル。
6か所を同時に、弱く、強くゆっくり責める。
アナルバイブを止めたり入れたりした。
これがアナル開発の最初だ。
快感とともに、少しずつ教えていく。
そうじゃなければ、もぞもぞするばかりだから。
小さいのでならしながら、快感とともに少しずつ。
そっと、優しく。。。
SMは被虐と優しさのハーモニーかもしれない。
どちらが欠けても深くならない。
いきそうになるのがわかるから、すべての刺激を止め、アナルバイブだけにする。
汗できらきら光った体が悩ましくくねる。
そしてまたすべてのスイッチを入れた。
繰り返した。
奴属に酔う。
Mの性だ。
それはマインドの奥を癒そうとする心理だろう。
そして、いつも踏ん張って生きている自分をみていてほしい。
だから、あまえてすべてを委ねたい。
美雨の反応が変化した。
今まで知らなかった、妖しい疼き。
征服されることで得る、これまでにない被虐の疼き。
いつもの喘ぎと違うニュアンスに、それを感じた。
「ああ。。。 もう もう……」
すべての刺激を止めておあずけした。
焦らして焦らしてから、アナルバイブだけ、少し強く入れた。
ひっひっと慣れない刺激に耐える様子にどきりとした。
そのままで、仰向けの美雨にかぶさり、ばんざいの二の腕をつかんで顔を見た。
おばあさんになってもお前は俺だけのものだ。
瞳に涙をためて、喘ぎながら何度も何度もうなずいた。
バイブを外し、ゆっくり少しだけ指を入れた。
中の人差し指と外の親指ですぼまりの入り口をつまむように揉みしだいた。
その場所を所有者に提供する。
その場所をも支配される。
奴属の悦びとわずかに感じはじめたアナルの刺激に、うっとりとした表情の中の瞳はとろんとしていた。
主従の関係性は、少しずつ深くなる。
征服された女の、あまくすっぱい香りがした。
バイブの振動音がする。
それに混ざって美雨のこころの声が聞こえる。