食事の後、部屋に戻り、尻をだすように命じた。
美雨は「はい」と返事をして、膝をついて服をまくった。
尻が、白い。
しつけの鞭
四つん這いを命じる。
足を開かせ、背中をそらさせる。
美雨は、私に捧げるように尻をあげた。
バラ鞭で背中をなぞる。
ひとつ打って、鞭で尻をなでるようにする。
数えるように促すと、はい、と蚊の鳴くように小さな声。
弱く打ち、強く打つ。
リズミカルではない。
不規則に打つのが私の鞭だ。
間をおき、あるいは続けざまに。
美雨の尻が紅くなり、喘ぎが切迫してきた。
美雨が奴隷になりたての頃、その味わいを体でおぼえさせるため、調教のたびに鞭を使っていた。
バラ鞭をおいて乗馬鞭を手にする。
「裸になるんだ」
首輪をつけて、テーブルの足につなぐ。
仰向けに寝かせる。
乗馬鞭で胸を打つ。
腹を打たれながら、ああ、と艶めかしく喘ぐ。
うつ伏せ。
腿の後ろを叩く。
背中を打つ。
四つん這いにさせて、ひたひたと鞭の先端で股間を責める。
そして打つ。
ああ、と背中をそらせる。
催促するように尻を振らせる。
10回、連打。
そして、しばらく打たない。
なにもされないもどかしさに、美雨が、ああと哭く。
強く打ち、「熱い?」と聞くと、はいと答えた。
尻のことではない。
心がじーんと熱くなる。
覚えはじめた被虐のせつない感覚に、肌が泡立つ。
喘ぎは、すすり泣きに変わる。
形のいい尻をなでる。
敏感になっている尻は、それだけできつい。
ああと髪を振る。
いいか? と聞くと、かすかにうなずく。
そのままの姿勢をキープさせて、なにもせずに美雨を見ていた。
どういうわけか、哀しくなった。
家畜のように尻を鞭で打たれる自分の惨めさに、昂ぶり、せつなくなっている。
髪をかき分けて、顔を見る。
目に涙がたまっていた。
赤い尻をなでる。
Gスポットをゆるゆるとさわる。
わざと指を抜いて、アヌスの周りを指の腹でなぞる。
内腿をさする。
吊って鞭
立たせて、裸にして、両手をひとつにして吊った。
二の腕で顔を隠すようにする様がマゾらしい。
女は濡れて光っていた。
鞭は、責めでもあり、焦らしでもある。
吊った美雨の尻を打つ。
耳をかんで、乳首を転がし、股間をまさぐる。
昂ぶらせ、打つ。
繰り返す。
50まで数えさせて打ち、吊った美雨を抱きしめる。
「ご主人様」と小さな声をだして、美雨は泣いた。
折れるほど、抱きしめる。
涙を舐めとると、体を震わせた。
はかなかった。
やるせなかった。
あと10回というと、はいと、答えた。
打たれながら、いきます、といって美雨は泣きながら果てた。
手をほどいて、強く強く抱きしめる。
これが所有者である私の愛し方だ。
落ち着かせてから、もう一度鞭を手にすると、ああ、ご主人様と美雨が喘ぐ。
縄をほどくと、美雨は横座りで両手で胸を抱きしめた。
縄の後がマゾらしくて、被虐の余韻があった。
胸が震える。
征服したいという欲望と、大切にしたいという愛情が同居している。
すべてを支配したいのと、慈しみたい感情がせめぎ合う。
撮られるという調教
哀愁のある哀れを誘うその姿を撮る。
ぱしゃりと音がすると、ああと下を向く。
写真に撮られることを、美雨は恥ずかしがり、同時にマゾとして昂ぶる。
Mにとって羞恥は悦びだ。
立たせて、気をつけで片足を内側に曲げさせる。
体の検査の姿勢。
奴隷のポーズ。
四つん這い。
お座り。
伏せ。
お仕置きのポーズ。
少し休憩。
ハグして、口移しで水を飲ませる。
従順にこくこくと飲んで、髪を梳いて目を合わさせる。
潤んでいて、うっとりしていて、燃えている。
少し奉仕をさせて、両手で上体を支えて足をM字に大きく開かせて、女を愛撫する。
女は湿っていて、温かさに、女としての優しさを感じた。
はかなさを感じた。
美雨はマゾとして、私に奴隷としてすべてをさしだしている。
その瞬間を、写真は切りとっていく。
美雨は、写真に犯される。
大人の女としての矜持も羞恥も赦されず、ふだんは隠している本当の姿を撮られていく。
壁に背中をあずけさせる。
「足を開いてごらん」
「女を開いて見せなさい」
「口を少し開きなさい」
撮りながら、心の奥のフィルムにも焼きつけようとした。
映されることで、管理され、所有され、飼育されている自分を自覚する。
飼い主の意のままに操られる自分を、ふだんの心は恥ずかしがり、Mの心はあまく、せつない。
私にどう映っているだろうと心配しながら、肌を泡立てながら命令された姿勢をして写真に写されていく。
せつない奴隷の仕草
M女は、どきつい、ひわいな姿勢は似合わない。
はかなさやせつない静かな姿勢がいい。
派手ではなく、ひっそりとしていて艶がある。
恋人のような関係の時もある。
奴隷として仕え、調教される。
ペットとして可愛がられる。
なすがままの甘美な被虐が、フィルムに収まっていく。。。
許して、ハグしてコーヒーを飲んだ。
縄の後がせつなく、さすってやると、おでこを肩に寄せてきた。
また女が濡れてくる。