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ご主人様の奴隷になりたい 主従関係と恋愛

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仕事で疲れきっていた。

儲けることしか頭にない人間とのつきあいに、魂が違うと泣いていた。

当たり前のことをして、正直な商売で感謝され、そのことに感謝して、星に思い、風を感じて当たり前に暮らしていきたかった。

そうなるためにしなくてはいけないことがある。

そのとき、そばにいてくれる誰かがいたら、きっと進むことができる。

美雨と出会ったのはそんな時だ。。。

 

マゾ性という感性 女のはじらい

 

そのころ私は離婚して、飲んだくれて、別れちゃったけれど心配もして、守れなかったことに傷ついて、どうしようもなくて荒れていた。

自分を責めて責めて、それでも生きていかなくちゃならなかった。

全部どうでもよくなっちゃったけれど、心の隅っこで、ちゃんとしないといけないと、自分を痛めつけるのはやめろと囁いているのもわかっていた。

 

癒しやもとめているものを他者や環境や状況に求めてしまって、何百回も裏切られた。

やっとわかった。

自分の中に希望があった。

 

すべてを宇宙に委ねることにした。

自分では超えられないことって、生きてりゃある。

人を信じて裏切れらたり、都合のいいようにされたり、適当に向き合われたりってある。

辛かったから、余裕がなかったから、そういうことが重たかった。

 

それは美雨も同じだった。

悩んだり、考えたり、バランスをとろうとしていた。

調教すると、マインドの奥がわかった。

裸で縛ると、肌の感触で気持ちが伝わった。

 

瞬間のふとした表情が、心のほんとの部分だ。

次の瞬間、はにかみに変わる。

Mとして、羞恥に体を熱くする。

 

調教していく中で、ほんとうの自分を少しずつ見せるようになった。

そのときの、眼をしばたたくこと、少し開いた唇、哀しげな眉、華奢な鎖骨がせつなく、哀しかった。

 

きれいでかわいくて、スタイルがいい女性が、誰だって男ならいい。

だけど、それだけではないものがマゾヒズムを抱えた女性のの魅力だ。

はにかんだ口元、委ねるときめき、羞恥、被虐、余韻。。。

 

ごめんなさいと鞭うたれ、いい子だとハグされ、小さい頃の純真だった自分に戻る瞬間。。。

そういう変化に私は向き合う。

私にだけ見せる、ほんとうの自分。

そして自らも、心の奥と向き合い、本音の自分に戻る時間が、私との時間であった。

それは私も同じで、共にいることで、孤独や、荷や苦やさまざまと向き合うことができた。

そして少しずつ、それらを乗り越えていこうというエネルギーが戻ってきた。

 

自分のままで、温もりに守られていて、主がいつも見ていてくれて。

奴隷になるというのはそういうことで、堕ちることじゃない。

 

優しさや思いやりや、人の善を信じること、心はきれいなままでいること、そう努力をしようとすること。

 

縛られるのは、縄に抱きしめられることだ。

心と体を、奴隷として主に委ねたいのは、あまえたいという心の奥の願望だ。

それは、さみしいからだ。

調教され、飼育され、管理されたいのは、自分を認めてほしいからだ。

膝を抱えて泣いている、幼い自分が心の奥にいて、抱きしめられるのを待っている。

素直にできないとき、叱られ、仕置きされる。

その時、M女は少女に退行する。

子供のようにごめんなさいと泣き、心は小さな女の子の自分だけれど、体はMとして燃えてくる。

そのあと、ねっとり、責められ、焦らされ、体を翻弄される。

その様を主に捧げるのがあまい。

 

許可を得て開放し、すべての力が抜けた体をハグされて、よしよしと優しくされ、せつなくなる。

 

SMとはそういうものであり、性欲だけのものではない。

汚いとか痛いだけとかグロテスクなものじゃない。

 

奴隷として調教されるのは自分に戻る時間だ。

その時間を共有するのが主従だと思う。

 

M性というのは、あまえんぼうで、さみしがりだ。

だからかわいい。

けっして変態ではない。

 

M性を癒やせたら、人生に真っ向から向き合おうとする。

自分を大切にしようと自然に感じるようになる。

 

調教され、奴隷として、時に恋人として、受け身でそっといる。

恥じらい、はかなさ、せつなさがM女の特性で、だから女性としてステキだ。

 

ご主人様と奴隷 自分に戻る時間 退行する心

 

飼い主と奴隷の関係とはそういうもので、女として恋人としてみることと、奴隷として向き合うことの両方をいったりきたりする。

動画や小説のように、檻で暮らすとか、一日中調教されてとか、そんなことはない。

離れたり、近づいたり、笑ったり泣いたりしながら関係を深めていくのがリアルなご主人様と奴隷だろう。。。

 

だから私が俯くと、温かく女として接してくれた。

主として毅然と向き合うと、自分はご主人様のものですと俯いた。

髪の香りがして、夜の闇をひとりですごしてきたことがわかって、そんな空気の中で向き合った。

 

酒を飲みながら、縛った体を隣りにはべらせ慈しんだ。

 

高手小手に厳しく縛め、横座りの肌の匂い、うなじ、腰のライン、奴隷の誓い。。。

 

肩を抱き、口移しで酒を飲ませた。

足を開かせた。

尻を向けさせた。

横抱きにして、肩を掴むと涙を流した。

焦らし、寸止めして、その様子を見た。

仰向けで足を開かせ、そのまま放置した。

恥じらい、足を閉じようとするから、叱ると、はいご主人様とそっと開いた。

 

豆をはじきながら、ここは私が所有していること、よく見るため、きれいにすると剃毛を宣言すると、ああ……と喘いだ。

 

主のための自分。

主にきれいだと、いい女だと感じてもらいたいのがマゾヒズムだ。

 

尻を持ち上げさ、女を責めながら平手で叩いて、いい女になりなさいと命令した。

 

静かに、そっと命令する。。。

逡巡する時間を待つ。

逡巡しているとき、とても魅惑的だ。

それから、諦めたように従う。

 

ゆっくり教育して、少しずつ素直になっていった。

 

膝にのせて、思いきりハグした。

男と女。

ご主人様と奴隷。

飼い主とペット。

 

背骨がきしみ、肩が震え、頬は柔らかく、髪はさらさらだった。

それでなにもいらなかった。

あとでみっちりかわいがるからというと、体を密着させてきて、はい、ご主人様と弱く答えた。

 

調教されながら退行し、優しさを思いだし、癒し、もう一回頑張ってみようとする。

SMってそういうもので、ただのプレイとかじゃない。

 

縛り、胡坐の私の上に座らせた。

湿った体が体温を帯びた。

そして私が躾けた通りにした。

調教されたM女として、私の腿に女をあて、ゆっくり動かし、濡れ具合を私に知らせた。

 

自分はあなたのものですと服従を示すために、肩を後ろに引いて胸を突きだした。

俯いた顎を指で持ち上げると、頭を振り髪をよけて顔を見せた。

飼い主の私にだけ見せるいろんなことを含んだ表情。

ふだんは、社会の中で社交辞令とほんとの自分とバランスをとって、自分に傷つきながら暮らしている。

 

私にできることは、被虐を与えることだった。

喘がせ、虐めてくださいと哀願させた。

 

なにがいいとか正解とか理屈とか、そんなの関係ないと思った。

この人の未来が輝けばいい。

そして今が安らかならいい。

ごめんなさいと哭いても許さなかった。

半分開いた唇から長い小さな喘ぎが続いた。

目が合うと、いつも少しだけ泣いた。

胸が、ぎゅっと締まった。

 

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